News Analysis · Curiosity Sol 3924

NASA火星画像に「クラゲ状」の影 A SINGLE-FRAME ANOMALY · 20 AUGUST 2023 / REPORTED 13 AUGUST 2026

NASAの火星探査車キュリオシティが撮影した風景の左下に、小さな黒い像が立っている。クラゲ、二本脚の物体、三脚などに見えるとして2026年8月に話題になった。NASAの原画像には確かに写っているが、13秒前の画像にはない。では、これは何なのだろう。

撮影日時
2023年8月20日 22時27分46秒(UTC)
撮影機器
キュリオシティ右ナビゲーションカメラB
報道日
2026年8月13日(Daily Mail / The Sun)
現在の位置づけ
一枚だけに現れた像 / 正体未確認
キュリオシティが撮影した火星画像の左下部分を拡大したもの。地平線付近に、傘と二本脚のような形を伴う小さな黒い像が見える。
黒い像が現れた部分(切り出し拡大) NASA原画像の左下を切り出して拡大。小さな傘と二本脚のように見える黒い形がある。画像を押すと未加工の全体画像を確認できる。 NASA/JPL-Caltech · Curiosity Sol 3924 · NRB_745839057EDR_S1031528NCAM00594M_

30秒で分かる結論

NASA原画像に像は実在する

転載画像への後付けではなく、NASA/JPLが公開しているナビカメラ画像そのものに黒い形が写っている。

13秒前には見えない

ほぼ同じ方向を撮影した直前のフレームには、問題の形を確認できない。

生命体やUFOとは証明できない

別角度、距離、大きさ、動きが分からず、撮像上の異常や塵なども排除できない。

面白いのは、見慣れた岩が生物に見えるだけの単純な「火星の顔」とは少し事情が違う点だ。同じカメラが13秒間隔で撮った画像を比較でき、その後の一枚だけに黒い形が現れる。ただし、一枚しかないからこそ正体を絞れない。

2023年の画像が、2026年に再び話題に

Daily MailとThe Sunは2026年8月13日、NASAの火星画像に「クラゲ状」の像が写っているとして報じた。きっかけはSNS上で画像が再共有されたことで、「火星のサーファー」「クラゲ型UFO」「かかしのようだ」といった反応が広がった。

ここではニュースの公開日と、画像の撮影日を分けて考える必要がある。新しく撮影された画像ではなく、キュリオシティが2023年8月20日、火星での第3924日(Sol 3924)に撮影した既存画像が、約3年後に発見・再注目されたニュースである。

13秒で何が変わったのか

二枚は右ナビゲーションカメラBによる連続した観測の一部で、画像サイズはいずれも1024×512ピクセルである。画角にはわずかな違いがあるが、背景の斜面と地平線は共通している。黒い像は後の画像の左下にだけ確認できる。

比較上の注意: 二枚だけでは、像が地表に立っているのか、カメラと地表の間にある小さな物質なのか、センサーや画像処理で生じたものなのかを判定できない。見た目から距離や大きさを推定することもできない。

確認できたこと / まだ分からないこと

Confirmed NASAの公開データに含まれる

元画像、撮影時刻、Sol、カメラ名をNASA/JPLの公開ページで確認できる。

Confirmed 直前の画像にはない

13秒前の右ナビカメラ画像では、同じ地平線付近に黒い像を確認できない。

Not confirmed 物理的な物体だったか

一枚だけのため、地表・空中の物体なのか、瞬間的な撮像異常なのかを分けられない。

Not confirmed 動いた、または歩いたか

形が現れたことは確認できるが、移動を示す連続画像や動画ではない。

Missing evidence 立体視と大きさ

同時刻・同対象を捉えた左カメラ画像が確認できず、距離や実寸を計算できない。

Official status 個別のNASA解説は未確認

2026年8月14日の確認時点で、この像の正体を個別に説明するNASA/JPLの発表は見つかっていない。

考えられる説明

最初に検討すべきなのは、瞬間的なセンサーノイズ、宇宙線の影響、伝送・画像処理上の異常である。固定した故障画素なら別の画像にも同じ位置に残りやすいが、一時的な撮像異常なら一枚だけに現れる可能性がある。

火星の塵、小石、探査車の近くを通過した小さな物質が、遠くの大きな像のように写った可能性もある。火星ではダストデビルも観測されるが、この画像だけから問題の形をダストデビルと特定することはできない。

もちろん、実際に地表または空中にあった未知の物体という可能性も、画像だけでは完全には排除できない。しかし「排除できない」ことは「クラゲ型生物や宇宙船だと分かった」ことではない。別角度の画像、連続撮影、距離情報がなければ、候補の一つに留まる。

運営者の見方

運営者コメント: この像の正体は、現時点の画像だけでは判断できない。ただ、13秒前には存在しなかった形をNASAの原データで直接比較できる点は、非常に興味深い。

像そのものは小さく、拡大するほど既知の形に見えてしまう危うさがある。一方で、転載画像への書き足しではなくNASAの原画像に実際にあり、直前のフレームと比較できるため、単なる見間違いとしてすぐに片づけるのも早いと感じる。

生命体やUFOと断定するには証拠が足りないが、撮像異常を含めて検討する価値のある資料だと思う。正体を決めつけるのではなく、確認できる二枚を並べたうえで、今後の技術的な分析や追加情報を待ちたい。

参照資料

NASA/JPL 原画像(問題の像)

キュリオシティ右ナビゲーションカメラB。Sol 3924、2023年8月20日22時27分46秒(UTC)。

NASA原画像を開く

NASA/JPL 原画像(13秒前)

同じ右ナビゲーションカメラB。2023年8月20日22時27分33秒(UTC)。

13秒前の原画像を開く

Daily Mail(2026年8月13日)

画像がSNSで話題になったことを「クラゲ状」の像として報じた。見出しの生命説は確認済み事実ではない。

原記事を開く

The Sun(2026年8月13日)

撮影日時、SNS上の反応、前後の画像に同じ形がないことを紹介した報道。

原記事を開く

NASA Curiosity Mission

キュリオシティの目的、搭載機器、火星での探査状況を確認できる公式ミッションページ。

NASA公式ページを開く

関連ガイド

「正体不明」と「異星人」を同じ意味にしないための、UFOとUAPの基本用語ガイド。

UFOとUAPは何が違う?

公開日・確認日:2026年8月14日

今後の確認点:NASA/JPLによる個別解説、同時刻の別カメラ画像、追加フレーム、画像処理・センサー由来かを検討する技術的分析。

UFO/UAPニュース一覧へ戻る