30秒で分かる今回のニュース
欧州委員会は、各国が安全保障上の必要に応じて対応する分野だと説明した。
委員会として米政府の資料を検証し、内容を評価する立場にはないと答えた。
回答はUAPの実在や正体について結論を出していない。
欧州議会からの三つの質問
ドイツ選出の欧州議会議員モリッツ・ケルナー氏は7月15日、欧州委員会に書面質問を提出した。米国の政府関係者によるUFO関連の発言や資料公開を挙げ、委員会は①米側の文書・発言を検証したか、②米政府の公開物を真剣に受け止めているか、③UFOの存在を否定するか、と尋ねた。
この質問と回答を、ドイツの専門サイトGreWiが9月16日に紹介した。同記事にはケルナー氏への短い取材も含まれている。質問提出日と報道日は別であり、回答も9月の新発表ではない。
委員会の回答は何を述べたか
防衛・宇宙担当のアンドリュス・クビリウス委員は8月25日、欧州委員会を代表して回答した。欧州議会の公開文書によれば、未確認異常現象は加盟国の権限と考えられ、各国が自国の安全保障上の必要に応じて対応できるという。具体例には、フランスの公式調査機関GEIPANを挙げた。
そのため委員会は、この話題の出版物について文書を検証したり評価したりする立場にはないとした。これは「米国の主張を確認した」という答えではない。同時に、「UAPは存在しない」と結論づけた回答でもない。問いの真偽ではなく、委員会の担当範囲を示した答弁である。
なお「UAPは加盟国の権限」という整理自体は今回初めて示されたわけではない。2025年の議会回答でも同様の位置づけが示されており、今回をEUの突然の方針転換とは読めない。
「水面下の監視」報道との関係
8月にはEuronewsによるEUのUAP監視への関心を伝える報道もあった。ただし、個々の当局者の関心や航空・安全保障上の監視と、欧州委員会が米国のUAP資料を公式に検証することは別の話だ。今回の回答から、EU共通のUAP調査機関が設置されたとは言えない。
加盟国の権限と、共通の報告制度は両立できる
ここからはUFO Japan Archiveの見方だ。安全保障上の判断を加盟国が担うとしても、目撃・航空安全情報を比較できる形式で記録し、重複や既知の説明を照合する仕組みはEU域内で検討できるはずだ。各国の事例をばらばらに扱うだけでは、国境をまたぐ現象の比較が難しい。
今回の答弁は共通制度を約束していない。今後の論点は、どの機関が何を収集し、公開可能な範囲でどのように検証結果を共有するかにある。
確認できること/確認できないこと
確認できること:ケルナー議員の質問と、8月25日付の欧州委員会の回答は公開されている。回答はUAPを加盟国の権限と位置づけ、委員会は米政府資料を検証・評価する立場にないと述べた。
確認できないこと:EU共通のUAP調査制度を新設する予定や、委員会が米政府資料の内容を肯定・否定した事実は、この回答からは確認できない。
参照資料
記事公開日:2026年9月17日
情報源区分:A=欧州議会の質問・委員会の回答(公式)/C=GreWiの専門報道・独自取材。共通制度に関する記述は本サイトの提案。